『○○さんの紹介だから、かなり期待値を上げて来ました(笑)』
そう話しながらも、表情には明らかな疲労が滲んでいました。
今回のお話は、41歳の女性の税理士さんです。
長時間のデスクワークが続く中で、ここ2〜3ヶ月ほど前から右肩〜腕、手にかけての痛みが徐々に悪化していたそうです。
特に深刻だったのは、
・朝、起きる瞬間に肩から腕へ激痛が走る
・寝返りだけでも痛みで目が覚める
・上腕二頭筋の腱付近が鋭く痛む
・ペンが握りにくく、字が書きづらい
という状態でした。
税理士という仕事柄、“手が使えない”ことは、そのまま仕事の質へ直結します。
・数字を扱い続ける集中力
・細かな確認作業
・長時間、同じ姿勢で座り続ける環境
一見すると静かな仕事に見えますが、実際には身体へかなり特殊な負担が蓄積しやすい職業です。
特に今回のケースでは、『腕の問題』に見えていた症状が、実際には“座り続けた代償”として全身へ波及していました。
ご本人としては『猫背が原因だと思う…』と話されていました。
ただ、実際に身体を確認すると、問題はもっと下から始まっていました。
肩は“原因”ではなく、最後に耐えていた場所だった
痛みが出ている場所に、必ずしも原因があるとは限りません。
むしろ、痛みが出ている場所は『最後に負担を押し付けられた終着点』であるケースが少なくありません。
今回もまさに、その典型的なパターンでした。
身体を確認すると、最も大きな問題は右の臀部と股関節。
長時間座り続けることで、お尻の筋肉は柔軟性を失い、股関節はロックされた状態になっていました。
さらに鼠径部には強い詰まり感があり、股関節そのものが滑らかに動けない状態でした。
人間の身体は、本来は部分的に単独で動いているわけではありません。
股関節が動き、骨盤が回旋し、その力を体幹が受け取り、肩甲骨から腕へ伝達していく。
身体は、“連動”によって成り立っています。
しかし今回のケースでは、その起点である股関節が機能停止していました。
土台が止まると、人間の身体は別の場所で無理やり帳尻を合わせようとします。
その結果として、次に過剰に働いていたのが『胸』と『お腹』でした。
猫背の正体は『背中』ではなく前側の縮み込み
右の胸からお腹にかけての筋肉は、驚くほど強く緊張していました。
腹直筋、大胸筋、肋骨周囲。
これらが縮み続けることで、上半身を前方へ引っ張り込み、身体全体を“前に潰す力”が働いていました。
これが、彼女の猫背の正体です。
猫背というと『背中が丸いから悪い』と考える方が多いですが、実際にはもっと複雑です。
背中だけを無理に伸ばそうとしても改善しない人が多いのは、“前側が縮み続けている”からです。
胸やお腹が縮み、呼吸が浅くなり、肋骨の動きまで失われる。
すると身体は、自然と前方へ崩れていきます。
つまり猫背とは、単なる姿勢の問題ではなく“身体の連動性が失われた結果”でもあります。
今回も、股関節が動かないことで体幹前面が過剰に緊張し、その結果として肩甲骨や腕の自由度まで奪われていました。
股関節が動かない
↓
体幹前面が固まる
↓
上半身が前に崩れる
↓
肩甲骨が自由を失う
↓
腕だけで細かい作業を代償するという構造的な崩れが起きていたのです。
最終的に、上腕二頭筋、前腕、母指球(親指の付け根)まで硬化。
本来なら体幹の連動で生み出すべき『握る』という動作を、腕と指先だけで代償し続けた結果、“ペンが握れない”状態にまで追い込まれていました。
座り続けた結果、お尻が機能を失い、その代償でお腹が縮む。
結果的に、腕と指先が壊れていく。
これが、彼女の身体で起きていた“構造のドミノ倒し”です。
初回の施術で戻り始めた『身体本来の長さ』
初回の施術では、肩や腕を強く触ることはほとんどありませんでした。
むしろ、痛みが出ている場所を刺激しすぎることで、防御反応を強めてしまうケースもあります。
今回優先したのは、“なぜ肩へ負担が集中しているのか”という構造そのものの改善です。
行ったのは
・股関節周囲のロックの解除
・臀部の滑走性改善
・縮みきった胸〜お腹のラインの調整
・呼吸と体幹の再連動
・骨盤と肋骨の連動性改善
です。
施術中、彼女自身も『右のお尻が全然動いていなかったんですね…』と驚かれていました。
人間は、自分が動かせていない場所ほど、どのような状態か自覚できません。
構造が整い始めると『今まで無理をしていた場所』が急に軽く感じ始めます。
施術後には、彼女が印象的な言葉を口にされました。
『筋肉がちゃんと伸びている感じがします!』
これは単に“気持ちよかった”という意味ではありません。
縮み続けていた筋肉が、本来あるべき長さへ戻り始めたサインです。
身体のバランスが崩れると、筋肉は無駄に頑張り続けなければなりません。
頑張り続けた筋肉は、やがて硬くなり、動きを失い、痛みとして身体へ現れます。
構造が整い始めると、身体は自然に機能を取り戻していきます。
だからこそ僕は『どこが痛いか?』だけではなく 『なぜその構造になったのか?』を重視しています。
3ヶ月後、痛みは「ほぼゼロ」へ
2ヶ月が経過した5回目の施術の段階で、長年悩んでいた肩こりは完全に消失しました。
そして3ヶ月後には、
・朝の激痛
・寝返り時の痛み
・ペンの握りづらさ
・肩から腕への放散痛
これらは『ほぼ痛みがゼロ』の状態になっていました。
最初は『朝がとにかく痛い…』と話されていた方が、最後には『気づいたら痛みを忘れていました』と笑って帰られたのが印象的でした。
肩関節の痛みの症状は、一般的には長期化しやすいケースも少なくありません。
特に今回のように、肩だけではなく腕や指先まで症状が波及しているケースでは、改善まで時間がかかることも珍しくありません。
それでも改善が早かった理由は明確です。
彼女自身が、非常に能動的だったからです。
セルフケアを丁寧に継続し、座り方や身体の使い方も見直す。
ただ施術を受けるだけではなく、自分の身体で何が起きているのかを理解しながら取り組まれていました。
身体の反応に繊細な方なので『整体のロジックが理解できる』という点も大きかったのかもしれません。
・なぜ股関節なのか?
・なぜ胸が硬くなるのか?
・なぜ腕へ負担が集中するのか?
それを理解した上で身体と向き合ったからこそ、改善スピードも非常に早かったのだと思います。
身体は、受け身だけでは変わりません。
症状の“本質”へ向き合った時、身体は大きく変わり始めます。
そして本当に変わったのは、単なる痛みだけでなく
・仕事へ集中できる感覚
・無意識に肩へ力が入っていたことへの気づき
・呼吸がしやすくなった感覚
そうした日常の質そのものが、大きく変化していきました。
『仕事に100%集中できる身体』を取り戻すために
痛い場所を揉み続けたり、電気を流してその部分だけ軽くする…
それだけでは、また同じ場所へ負担は戻ります。
大切なのは、
・なぜそこに負担が集中したのか?
・なぜその姿勢になったのか?
・なぜ身体が連動できなくなったのか?
を見抜くことです。
身体は、非常に合理的なので、動かない場所があれば別の場所で必ず代償します。
そしてその代償が限界を超えた時、“症状”として現れます。
症状とは、壊れた場所ではなく、“頑張りすぎていた場所”でもあるのです。
当院が目指しているのは、一時的な効果の施術ではありません。
・理想的な重心の位置
・無理なく動ける構造
・呼吸しやすい体幹
・自然に力が抜ける姿勢
そうした“機能と構造の最適化”です。
痛みが消えることは、ゴールではありません。
身体が正しく連動し、必要以上に頑張らなくても仕事や日常を送れること。
それこそが、本来の意味で『整う』という状態だと考えています。
『痛みを忘れて、自分の仕事に集中したい』
そんなプロフェッショナルな方にこそ、整体院 good body.は力になれると考えています。
関連ページ①
【症状を繰り返す本当の理由とは?|国家資格×解剖学×セルフケアで再発を防ぐ整体】
https://good-body.jp/2025/03/21/prevent-recurring-pain-care/
関連ページ②
【身体を変えるために必要なのは『強い刺激』ではなく『正しい理解』】
https://good-body.jp/2025/01/07/karadawokaeru/

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